ハゲは遺伝すると言われていますが、 本当なのでしょうか。
結論から言うと、ハゲは様々な研究によって遺伝するということが分かっています。
遺伝する確率が高い条件など、さまざまなことが最新の研究で明らかにされてきています。
しかし、親がハゲているからハゲるということではありません。
そして遺伝したからといって対策がないわけではありません。
今回はハゲの遺伝についてや対策について詳しく解説していきます。
— 目次 —
■まとめ
はげが遺伝する確率は?
はげが遺伝する確率は50%~75%程度
薄毛の遺伝子を受け継ぐ確率は50%~75%程度と言われています。
薄毛の遺伝子を引き継いでいるかどうかは、遺伝子検査によって知ることが可能です。
遺伝子検査は医療機関で受けることもできますし、自宅で出来る遺伝子検査キットを使用して自分だけで検査することも可能です。
早い段階に遺伝子検査を受けて薄毛の遺伝子の存在に気付ければ、予防的な早期治療も可能になります。
はげは母方の祖父からも遺伝する可能性が高い
薄毛の原因のひとつであるアンドロゲンレセプターは母型の祖父の薄毛状況が関係するといわれています。
母型の祖父が薄毛であるならばアンドロゲンレセプターの感度の高さを引き継いでいる可能性があり、AGAを発症するリスクが高くなってしまいます。
生物学の話になりますが、人間の性別はX染色体とY染色体の組み合わせで決まります。
母親の「X」と父親の「Y」が組み合わさると男性「XY」に、母親の「X」と父親の「X」が組み合わさると女性「XX」になります。
薄毛遺伝子はX染色体によって受け継がれることがわかっています。
したがって、もしあなたが薄毛遺伝子を引き継いでいた場合、それは母親譲りなのです。
母親の「XX」は母方の祖父の「X」と祖母の「X」の組み合わせなので、母方の祖父が薄毛であれば、あなたがその遺伝子を引き継いでいる可能性があります。
両親から遺伝する可能性もある
また、薄毛の原因のもうひとつ、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換させる5aリダクターゼの活性が高い遺伝子は、両親から受け継ぐ可能性があります。
両親のどちらかが薄毛である場合は、5aリダクターゼの活性の高さを引き継いでいる可能性があり、こちらもAGAを発症するリスクが高くなります。
はげる原因は遺伝?メカニズムを解説
AGAの発症には、男性ホルモンと遺伝が大きく関係しています。
男性ホルモンが多いからAGAになるという単純なものではなく、様々な要素が絡み合ってAGAを発症します。
ここでは、AGAに関係のあるホルモンや酵素など、AGAのメカニズムについて解説していきます。
両親の影響|5αリダクターゼの活性の高さ
男性ホルモンのひとつテストステロンは、筋肉増強など男らしい体つきにする作用のあるホルモンです。
生殖機能の向上や精神状態の安定など、健康維持に欠かせないホルモンです。
テストステロンは良い効能が多いので、善玉男性ホルモンともいわれています。
しかし、体内の5aリダクターゼという酵素により、テストステロンはAGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンに変換されます。
つまり、5aリダクターゼが多ければ多いほど、テストステロンがDHTに多く変換されてしまうのです。
下記で詳しく解説しますが、このDHTがアンドロゲンレセプターにキャッチされると、薄毛の原因になってしまいます。
先述した通り、5aリダクターゼの活性の高さは両親から遺伝することがあります。
両親に薄毛症状があるなら、この5aリダクターゼの活性の高さも遺伝している可能性が高いです。
母方の祖父の影響|アンドロゲン受容体の感受性の高さ
頭頂部や生え際には、アンドロゲンレセプターというアンドロゲン受容体が存在します。
この受容体がDHTをキャッチすると、脱毛因子(TGF-β)が増えます。
脱毛因子(TGF-β)は毛の元となる毛母細胞などの活動を抑えて、抜け毛や育毛の阻害など、髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。
髪のヘアサイクルを乱して、今後もっと伸びるはずだった成長期の髪の毛を早くに抜けさせることで、最終的に薄毛にしてしまうのです。
アンドロゲンレセプターは、先述の通り、母型の祖父の薄毛状況が関係すると言われています。
母型の祖父が薄毛であるならば、アンドロゲンレセプターの感度の高さを引き継いでる可能性があり、AGAを発症するリスクが高くなってしまいます。
遺伝でハゲたくない!頭皮環境を整える対策
普段の生活習慣は、ハゲ予防だけでなく健康にとっても非常に大事です。
まずは生活習慣から心掛けましょう。
適度な運動をして、過度な飲酒・喫煙を控えること、そしてバランスよく食事を摂りましょう。
髪の三大栄養素といわれているタンパク質、ビタミン、亜鉛を効率よく摂取することも大切です。
日本人は、とくに亜鉛が不足しがちであると言われています。
また、育毛剤や育毛シャンプーで頭皮環境を整えることもできます。
髪の毛が適切に成長しやすいような頭皮環境に改善されるので、ひとつのハゲ対策になります。
他にも、シャンプーでゴシゴシ洗いすぎたり、ドライヤーを近くから当てるなどして頭皮にダメージを与えることは避けましょう。
睡眠不足や、ストレスを溜め込んでしまっていることも発毛に悪影響を及ぼします。
丁寧に髪の毛を洗い、しっかりとシャンプーを洗い流しましょう。
ストレスも自分なりの発散方法を見つけるのが良いです。
このように、日々の生活習慣で頭皮環境を整えて、ハゲの対策をすることはとても大切です。
しかし、日々の生活習慣の見直しだけでは、どうしようもならないこともあります。
もしすでに薄毛の症状が出てきているなら、生活習慣の改善により多少進行を抑えることはできるかもしれません。
しかし、髪の毛を増やすということはきわめて困難になってしまいます。
これらの理由により、本気でハゲの対策をするならクリニックに行くことをお勧めします。
AGA治療の専門のクリニックでは、一人ひとりの頭皮環境を熟慮し、症状にあった薬剤の投与など先進的なハゲ対策を受けることが可能です。
遺伝が原因だからこそクリニックでの治療をしよう
遺伝ではげていても治療出来る!
遺伝でハゲていても、治療法がないわけではありません。
「遺伝だからもうどうしようもない・・・」と諦めてしまうのは早いです。
ハゲの研究もかなり進んでいて、あなたに合った治療法は確立されているでしょう。
AGA専門クリニックでは、豊富な治療データよりあなたに合った最適な治療を行います。
クリニックの薬剤治療(内服薬・外用薬)
プロペシア
プロペシアは、AGAの進行を食い止める治療薬です。
世界ではじめてAGA治療効果があると認可された治療薬でもあります。
効果は5aリダクターゼを阻害し、テストステロンがジヒドロテストステロンに変換されるのを阻止します。
これらの効能により、正常なヘアサイクルに戻すはたらきを持っています。
飲み始めてからおおよそ3か月ほどで効果が出てきますが、毛髪量の増加など効果を感じるには半年以上かかることがあります。
効果の維持のためには、1年以上の継続した服用が必要です。
ミノキシジル
ミノキシジルは発毛を促進させる治療薬です。
外用薬と内服薬があります。
外用薬は日本で一般用医薬品として承認されているので、ドラッグストアなどで薬剤師に相談のうえ購入することができます。
内服薬は海外で承認されている医薬品なので、日本の薬局では購入することができません。
AGA治療のクリニックなど、内服薬を取り扱っているクリニックでの購入が必要となります。
ミノキシジルは、毛細血管を広げて血液の循環をスムーズにし細胞の増殖やタンパク質の合成を促進し、発毛を促す効果があります。
プロペシアと同様、効果が実感できるまで時間を要します。
6ヵ月で効果を実感できることもあれば、1年単位の時間を要する場合もあります。
ザガーロ
ザガーロは、プロペシアと同じようにAGAの進行を抑制する治療薬です。
プロペシアよりも強力に5aリダクターゼを阻害し、テストステロンがジヒドロテストステロンに変換されるのを防ぎます。
これらの効能により、正常なヘアサイクルに戻すはたらきを持っています。
飲み始めてからおおよそ6ヵ月から1年で効果を実感できるようになります。
成長因子注入治療
成長因子注入治療は、発毛に必要な成長因子を頭皮に直接注入し、ふたたび自力での発毛を実現させる治療方法です。
蚊の針(0.06mm)よりも細い0.03mmの穴から、成長因子を針を使用せずに注入していきます。
成長力が不足した頭皮に直接注入することで、効果的に頭髪再生を実現できる画期的な方法です。
まとめ
いかがでしょうか。
ハゲはおおよそ50%~75%の確率で遺伝してしまうことが分かりました。
遺伝だけでなく、生活習慣なども大きく影響します。
ただし、ハゲが遺伝してしまったからといって何も対策できない、というわけではないことも分かりました。
適切な治療を受ければ、ハゲの進行を抑えたり、発毛を促進させることも可能です。
生活習慣の改善や育毛剤などでハゲの対策・進行を遅らせることは可能ですが、本気で対策したい場合は専門のクリニックに相談することをオススメします。