現代医学において、再生医療は注目すべき分野となっています。
組織を再生させることで、治療薬やペースメーカー、装具などに頼らず、自分の身体が持つ回復力で、病気やケガを治せることが魅力となっています。
最近は毛髪に関しても再生医療の研究が進んでいるのですが、どのようにして薄毛を改善するのでしょうか。
また、薄毛治療専門のクリニックを受診することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
— 目次 —
AGAやFAGAについて
再生医療と毛髪との関係について解説する前に、まずは男性に見られる代表的な薄毛であるAGAや、女性に見られる薄毛の一種であるFAGAについて知っておきましょう。
AGA(男性型脱毛症)とは?
AGA(男性型脱毛症)は男性に見られる薄毛の大半を占める脱毛症で、英語の「Androgenetic Alopecia」を略したものです。
男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が、男性ホルモン受容器と結合することで、抜け毛の原因となるTGF-βを産生します。
TGF-βには正常なヘアサイクルを見出し、髪の毛の成長が終わらないうちに抜け落ちさせる働きがあります。
そのような毛穴が増えることで、徐々に薄毛の範囲が広がっていくのです。
FAGA(女性における男性型脱毛症)とは?
FAGAは「Female Androgenetic Alopecia」の頭文字をとったもので、女性における男性型脱毛症と呼ばれています。
更年期を迎えた女性に多く見られる脱毛症なのですが、年齢とともに女性ホルモンの分泌量が減少することで、相対的に男性ホルモンの分泌量が増大し、その結果、抜け毛のリスクが増すとされています。
ただ、AGAの場合は額が後退したり、つむじ周辺が薄くなったりと、局所がはげ上がってしまうのですが、女性の場合にはそのようなことがありません。
また、女性に見られる薄毛はホルモンバランスだけでなく、ヘアカラーやパーマといった頭皮へのダメージや、過度のダイエットによる栄養不足、ストレス、自律神経のバランスの乱れなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
そのような理由から、最近では女性における男性型脱毛症ではなく、女性型脱毛症と呼ばれることが多くなってきています。
薄毛再生治療とは?
薄毛再生治療は、現在生えている髪の毛を強く・太く成長させるような育毛治療ではなく、根本的に発毛させるための治療法を意味します。
再生医療は医学の多くの分野で注目されていますが、薄毛の分野でも研究が進み、注目されています。
それによって、これまでは改善が難しかった薄毛を根本から改善することが期待されています。
幹細胞による薄毛再生治療について
再生医療には幹細胞と呼ばれる細胞が用いられますが、そもそも幹細胞とはどのような細胞なのでしょうか。
また、どんなメカニズムによって毛髪の再生が起こるのでしょうか。
幹細胞とは?
幹細胞とは、失われた細胞を再び生み出したり、補充したりする働きのある細胞を意味します。
幹細胞は大きく分けて、組織幹細胞と多能性幹細胞の2つに分けられます。
組織幹細胞について
組織幹細胞は、日々生まれ変わる私たちの皮膚や血液、脂肪など、失われていく細胞を再び生み出す働きを持つ細胞を意味します。
神経系を構築する際に働くのは神経幹細胞で、血液を作る時に働くのが造血幹細胞というように、決まった役目を持つのが組織幹細胞と考えられてきました。
ところが、近年の研究によって、骨髄内に存在する間葉系幹細胞には、後述する多能性幹細胞のように、神経や筋肉、脂肪などに分化する働きがあることも分かってきました。
しかし、多能性幹細胞のように、すべての細胞に分化できるわけではありません。
脂肪に含まれる幹細胞は比較的抽出が容易であることから、薄毛の治療に用いられるようになってきています。
多能性幹細胞について
多能性幹細胞は、体内に存在する細胞であれば、どのような細胞にも分化できる細胞を意味します。
最近注目されているES細胞やips細胞も多能性幹細胞の一種として知られています。
ただ、ES細胞には倫理的な問題、ips細胞には効率よく作成することが難しいという問題があり、現在のところ普及に至っているとは言い難い状況です。
幹細胞による発毛のメカニズム
幹細胞による発毛のメカニズムについて理解するためには、ヘアサイクル(髪の毛の成長周期)について知っておく必要があります。
ヘアサイクルは髪の毛の成長期、退行期、および休止期によって構成されています。
また、ヘアサイクルの大部分を成長期が占めており、その周期はおよそ2年から7年とされています。
髪の毛は毛包にある毛包幹細胞が分裂することによって成長しますが、何らかの原因によって髪の毛の成長期が早期にストップし、休止期を迎えることで、髪の毛が十分に成長しきらないうちに抜け落ちてしまいます。
ヘアサイクルは髪の毛1本1本ごとに異なるのですが、休止期を早く迎える毛穴が増えれば増えるほど、薄毛の範囲が広がっていってしまうのです。
毛髪再生医療には、脂肪から抽出された幹細胞が利用されています。
幹細胞を頭皮下に注入すると、脂肪前駆細胞という脂肪になる前の細胞が活性化し、休眠状態の毛包幹細胞を刺激します。
休眠状態の毛包幹細胞が刺激されると、乱されていたヘアサイクルが再び正常化し、髪の毛の成長期を迎えることによって、発毛を促進するのです。
また、幹細胞を毛包に注入すると、新たに毛細血管が造られます。
毛包幹細胞は毛細血管から栄養を受け取って分裂を繰り返すため、幹細胞を注入すると発毛効果を促進することが期待できるのです。
薄毛再生治療にはアフターケアが大切
薄毛の再生治療には脂肪から抽出した幹細胞が用いられますが、再生医療の分野は比較的新しい学問分野であるため、まだそれほど臨床例が多いわけではありません。
自分の細胞を頭皮下に注入する治療法であるため、拒絶反応の恐れがなく、安全な治療法ではありますが、治療後は推移を注意深く見守ることが求められます。
薄毛再生治療の種類について
現在研究が進んでいる毛髪の再生医療ですが、大きく分けるとPRP毛髪再生療法と、ケラステム毛髪再生療法の2つが代表的な治療法となっています。
そこで、それぞれの特徴について見ていきましょう。
PRP(多血小板血漿)毛髪再生療法
PRP毛髪再生療法は、遠心分離器にかけることで血小板を濃縮し、それを頭皮下へと注入する治療法のことを意味します。
PRP毛髪再生療法をおこなう場合、発毛効果を促進したい部分に微細な傷をつけます。
それによって、損傷部位の細胞分裂を活性化させることが狙いとなっています。
その損傷部位に濃縮された血小板を注入することで、修復能力を高めることがPRP毛髪再生療法の目的です。
血小板にはいろいろなタイプの成長因子(グロースファクター)が含まれており、細胞を増殖させたり、組織を活性化させたりすることが可能となっています。
あえて頭皮に傷を付け、その傷が治る過程で血小板を注入すると、損傷部位の回復はもちろんのこと、発毛促進効果も期待できるのです。
PRP毛髪再生療法には自分自身の血液から採取された血小板を利用するため、副作用や拒絶反応、アレルギー反応の心配がないというメリットもあります。
ケラステム毛髪再生
ケラステム毛髪再生療法は、自分自身の脂肪細胞から抽出された幹細胞を、薄毛が気になる場所に注入する治療法を意味します。
幹細胞を注入することで新しい血管を作り、毛包幹細胞の分裂を活発にし、脂肪細胞を注入することで、硬くなった頭皮を柔らかくすることも期待されています。
抜け毛や薄毛がみられる方には、頭皮が硬くなっているケースが少なくありません。
頭皮が硬くなって動きにくくなると、毛細血管が圧迫され、頭皮へと送られる血液量が減少してしまいます。
そこで、頭皮下に脂肪細胞を注入し、頭皮を柔らかくすることが有効なのです。
また、幹細胞を注入することによって、頭皮に起こっている炎症を鎮めることも期待できます。
なぜなら、幹細胞に含まれる成長因子の中には、抗炎症効果を持つものも含まれているからです。
頭皮の炎症を鎮めることで、頭皮環境を改善し、健全な髪の毛が育つ土台作りをすることが可能となります。
薄毛が気になる方はクリニックへ早期相談!
薄毛が気になる場合、なるべく早めに薄毛治療専門のクリニックへご相談されることをおすすめします。
なぜなら、早期に予防や治療を開始することで、薄毛の発症や進行を遅らせることが期待できるからです。
早期発見により育毛治療で薄毛を治療できる
毛髪の再生医療は近年研究が進んでおり、将来的には薄毛治療の中心的な役割を担うかもしれません。
自分の血液や幹細胞を利用する治療法であるため、副作用や拒絶反応、アレルギー反応のリスクがなく、安全に治療を受けられることがメリットとなっています。
反面、まだまだ臨床例が少なく、治療も1回ではなく複数回おこなう必要があるため、費用も高額となる点がネックといえます。
そのため、薄毛は早期に発見し、早めに手を打つことが重要なのです。
特に、男性に見られるAGAには進行型という特徴があるため、早めに手を打たないと手遅れとなってしまう可能性もあります。
逆に言えば、早めに手を打つことによって、薄毛の進行を遅らせ、年齢相応の毛髪量を取り戻すことが可能とも言えるのです。
クリニックへの診断が早期発見の近道
薄毛はある朝起きたら突然起こっているものではなく、徐々に進行し、気が付いたら薄毛になっていたというケースがほとんどです。
男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインによると、AGAは思春期以降にみられ、徐々に進行する脱毛症と定義されています。
数ヶ月でいきなり薄毛が目立つようになるのではなく、何年もかけて徐々に薄毛が進行していくため、気が付いたら薄毛の範囲が広くなっていたということも珍しくありません。
また、女性に多く見られるFAGAを始めとしたびまん性脱毛症の場合、男性のように局所がはげ上がるようなことはありません。
どちらかというと、髪の毛の分け目が目立つようになったり、地肌が透けて見えるようになったり、髪の毛全体のボリュームが減少したりといった傾向が見られます。
そのため、やはり急に薄毛になるわけではなく、気が付いたら髪の毛の量が減っていたというケースが多いのです。
いったん抜けてしまった髪の毛を増やすのには時間がかかりますし、治療をしない間に活動を終えてしまった毛穴からは、二度と髪の毛が生えてきません。
そのため、専門のクリニックで診断を受け、薄毛を早期に発見することが、薄毛予防や改善への近道となるのです。
クリニック受診なら新宿メディカルクリニックがおすすめ
もし抜け毛や薄毛が気になるようになってきているのであれば、新宿メディカルクリニックを受診されることがおすすめです。
その理由としては、次のようなことが挙げられます。
1人1人に最適な治療法
AGAの治療法はいろいろあるのですが、皮膚科を始めとした病院では、投薬治療で薄毛の改善を図ることが一般的です。
ただ、薄毛にはいろいろな原因があるため、画一的な投薬治療では効果が中々現れないことも少なくありません。
新宿メディカルクリニックでは、投薬治療以外に、最先端医療であるメドジェット治療(毛髪再生メソセラピー)もおこなっており、多くの方に高い発毛効果を実感していただいています。
また、メドジェット治療に用いられている成長因子を配合した、オリジナルの育毛剤もご用意しています。
そのため、自宅に居ながら発毛治療と同様の頭皮ケアをおこなうことが可能です。
アフターフォローも充実
病院の一診療科とは異なり、新宿メディカルクリニックには薄毛治療に特化した医師やカウンセラーが在籍しています。
そのため、治療だけでなく薄毛に関するあらゆるお悩み(食事や運動、睡眠、ストレスへの対処法など)のすべてに対応することが可能です。
クリニックで治療をしたらそれで終わりではなく、自宅でできる育毛習慣や発毛習慣、頭皮環境を改善するための方法など、アフターフォローをしっかりおこなっています。
無料カウンセリングも実施中
薄毛に関するお悩みは非常にデリケートなので、誰にでも相談できるものではないと思います。
そのため、新宿メディカルクリニックでは無料カウンセリングで、どんなお悩みも承っております。
こちらから無理に治療を勧めることはありませんので、薄毛に関するお悩みや、予算に関するご相談など、なんでも専門のカウンセラーまでご相談ください。
まとめ
再生医療に関する研究は薄毛の分野にまで及んできており、自身の血液から採取した血小板や、脂肪細胞から抽出した幹細胞を利用することで、発毛につなげられることが分かってきています。
ただ、毛髪再生医療に関してはまだ研究途上であることと、費用が割高であることもあって、気軽に治療を受けられるわけではないことも事実です。
そのため、薄毛治療専門のクリニックで頭皮の状態を確認し、薄毛の発症が確認された場合、早めに治療を開始することがおすすめです。
新宿メディカルクリニックでは、それほど薄毛が進行していない場合、現状維持目的であれば1ケ月あたり4,620円から治療を受けていただくことが可能です。
また、女性の薄毛に関するお悩みも承っておりますので、髪の毛のボリューム減が気になる方は、一度、無料カウンセリングでご相談ください。